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「介護」の当たり前を超えていくための、企業理念。

大企業を飛び出して、起業した戸嶋社長。

東京は杉並区で、訪問介護を中心とした介護サービスを営むウォームハートさん。

https://www.coolhead.co.jp/

スタッフ数十人程度の小さな会社です。出会いは、2014年。「会社の理念を言語化したい」と、戸嶋社長からご相談をいただきました。

もともと大手介護サービス企業で働いていた戸嶋社長。大規模な組織の運営上、サービスの質よりも、目の前の売上目標に追い立てられてしまうことがあり、それが歯がゆくて起業を決意。2003年にウォームハートを立ち上げます。

そして創業から10年経ち、ヘルパーさんの人数も事業所も増え、いよいよ組織化と採用強化に本格的に着手していかなければ!まずはその軸となる理念をつくらねば!というタイミングでのお声がけでした。

「訪問介護=介護作業代行」ではない、という想い。

戸嶋社長とウォームハートさんのモットーは、「最高のサービスを」。今は介護業界もだいぶ成熟してきて、サービス品質の低い会社は淘汰されつつありますが、当時はまさに玉石混交。オムツ交換や入浴などの作業を代行するだけで、ご利用者の心地よさは二の次三の次という会社も、まだまだ多かった時代でした。

つまり、「訪問介護=サービス」ではなく「訪問介護=作業代行」という認識のほうが強かった。そんな中、ウォームハートさんは「訪問介護=ご利用者様の身も心も満たされる介護サービス」と自社のサービスを定義し、どこよりも優れたサービスをめざしていました。

ご利用者様も、ご家族も、ご近所さんも、みんなお客様。

取材を通じて驚いたのは、「ご利用者様のお宅に訪れた際、まず、さりげなく部屋を見渡す。家具を見渡す。取っている新聞を確認する。そうすることで、ご利用者様の趣味や嗜好をわかる。共通の話題を探ることができるんです」ということや「ご近所さんへの挨拶も欠かしません。出入りしているヘルパーさんの悪い評判や噂が立ったら、ご利用者さんも気分良くないですよね?」ということ。他にもたくさんの小さな驚きがありました。

ウォームハートさんを知れば知るほど、もう従来の「訪問介護」の概念をこえて、ご利用者に、そのご家族に、地域に、愛される存在になろうとしている、ということを感じました。今後、ウォームハートさんがどんなに大きくなろうと、変えてはいけない想い。こんな形で理念として言語化しました。

 

 

一人ひとりが毎日の仕事の中やそれぞれの現場で大切にしていきたい行動の指針のようなものも、「サービスポリシー」として次のように整理しました。

 

理念の策定から6年。理念の社内浸透と実践のために、定期的に全社での勉強会を開き、スタッフ皆さんで議論や共有を繰り返していらっしゃるようです。その会のプログラムづくりや運営、社内報の立ち上げもお手伝いさせていただきました。

そして今年、僕らと一緒につくった理念は役目を終え、さらにもう一つ上のステージに上るために、社内の皆さまだけで新しい理念をつくり上げたそうです。まさに自走する組織になりつつあるウォームハートさん。採用強化もお手伝いさせていただいたので、それについてもまた別の機会に書きたいと思います。

 

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