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コピーライターになるために、養成講座は受けるべき?

2021年、私は2月から8月にかけて宣伝会議のコピーライター養成講座の基礎コースを受講していました。
今回は、宣伝会議コピーライター養成講座 基礎コースを受ける経緯や、実際に体験してみての感想を綴っていきたいと思います!

 

養成講座との出会いは突然に

コロナで就活浪人となった私は、とある美術展でコピーライターという職業に出会いました。

「キャッチコピーを書く仕事なんて、楽しそう!」。美術展を出てすぐ、母に電話をかけました。もし広告業の友人がいたら紹介してもらえないかと訊ねたところ、運よく母の大学時代の友人が制作会社に勤めていたのです。

こうして出会ったのがTさんでした。すぐさま連絡をして、2日後には広告業界についてお話を聞かせていただけることに!

とはいえその時は広告業界に対しての知識はありません。なにせ「やりたい仕事」に出会ってから50時間も経っていないのですから……。

なので、超ストレートに訊ねることにしました。

「コピーライターになりたいです。大学はメディア関係ではない学部でした。その上、就活浪人中の私でもなれるでしょうか?」
その時に勧められたのが、講座の受講でした。

 

「就職に有利だよ」の一言が、受講のきっかけ

Tさんが宣伝会議の養成講座の受講を勧める理由は2つ。
1つは、講座を受けると職業理解を深めることができるからです。広告業界の基礎知識や、職業に対する理解を深めることは、企業理解のためにも重要なことだと、Tさんは言いました。また、実際に就職した後に「イメージと違った」となるようなミスマッチも防ぐこともできます

もう1つは、就活する際にいくらか有利になるかもしれないということでした。宣伝会議の講座は、広告業界の中では非常に有名そのため、応募書類に記入することで、「講座に通うくらい、コピーライターになりたいのです!」と熱意を採用担当者にアピールできるとのことでした。

職業理解の大切さをイマイチよくわかっていなかった私は、「就活に有利」の部分に飛びついてコピーライター養成講座を受けようと決めました。
しかし、実際に就活を終えて思います。

コピーライターになるためには、職業理解が超超超大事!と。

「一社一社、本気で受かりにいこう」

コピーライターは完全未経験への間口が非常に狭い職種です。

実際に就職活動をしてみると、何百件何千件もある営業や事務と比べると、コピーライターの求人募集はあっても数十件。しかもその多くは経験者の募集で、未経験ともなると十数件にまで減ってしまいます。

更にその狭い枠を、大学や専門学校でメディアを専攻していた応募者と取り合うのです。当然、何の知識も無いままエントリーすることはとっっても不利!

講座を受けるか、あるいは本を読むか、メンドくさくても何かしらの勉強は必ずしておくのが良いでしょう。
たくさんの会社を受けまくって滑り止めを確保する、という就活の王道戦略が、コピーライター志望者には難しい以上、一社一社、本気で受かりにいくつもりじゃないとダメだよとTさんにも言われました。

 

そもそも、宣伝会議コピーライター養成講座って?

 

ここで一旦、記事で取り上げている養成講座について簡単に説明します。
宣伝会議コピーライター養成講座は、株式会社宣伝会議が主催する、クリエイターの養成機関です。コピーライティングや広告ビジネスの基本を習得する基礎コースをはじめとして、上級コース、専門コース、ボディコピーコースなどさまざまなコースがあり、卒業生にはあの糸井重里や仲畑貴志などがいます。(「あの」とか言いながら、当時の私は二人とも知りませんでした…)
講師の多くは電通や博報堂といった大手で活躍する現役のコピーライターですが、CMクリエイターなど他職種の広告クリエイターも招かれるため、多角的な視点を学ぶことができます。詳しいことは、宣伝会議のHPか、Wikipediaで。

とにかく、「宣伝会議の講座=広告関係で一番ポピュラーな講座」なのです。

けっこう高いので計画的に

コピーライター養成講座は、全40回で16万円!けっこうする!

社会人なら出せても、学生が勉強のためにポンと捻出するのは難しい金額ですね。私自身、バイトで貯めていた貯金をほぼ使いました。しかし一講義(2時間)で考えると2000円ということと、講師の質の高さを考えると、理不尽なほど高いわけではありません。

コピーライター養成講座は年に2回。今すぐに支払えない人は、いったん春講義は見送って、秋講義にトライしよう、など計画を立てると良いかもしれないですね。

もし、どうしても金銭的に難しいということであれば、講師の本を読むのがおすすめです!
『広告コピーってこう書くんだ!読本』(谷山雅計著)や『最も伝わる言葉を選び抜く、コピーライターの思考法』(中村禎著)は、講義の中でも紹介されていました。

自身の著作に則って講義を進める講師もいるため、本を読むことによって、コピーライター養成講座で得ることができる知識に近いものは勉強できると思います。

 

学生も、会社員も、主婦も同期

コピーライター養成講座は、春と秋に、東京と大阪で開講されます。私が受けたのは、東京教室20年秋クラスでした。(2月〜8月というスケジュールになったのは、コロナのせい)

オフィスでの受講が基本ですが、コロナの影響でオンライン実施がされました。

私は東京まで片道2時間の地方在住者。時間の面でも交通費の面でも非常に助かったため、今後もオンラインで受けられるようにして欲しいですね。

同期はおおよそ130人。新卒で広告会社を目指す学生、転職希望者、スキルアップのために受けている広報担当者や、興味で受けている主婦まで!年齢も、職業も、目的もさまざまなので、年齢や所属で受講を躊躇する必要は一切ありません。

 

毎日、広告を買ってたんだ、という気づき。

 

そしていよいよ授業が始まりました!

概要も考え方も知らずにコピーを書くことはできないため、前半は、「コピーライターとはどのような職業か」「広告業の仕組み」といった基礎知識を学ぶ授業が多いです。

往年の名作コピーをスクリーンに映して解説する先生や、キャッチコピーを作り上げるために必要な思考プロセスを解説する先生。さまざまな授業を受けていく中で、いつの間にか自分が世の中を見る目が変わっていることに気がつきました。

例えば、食品を買うときに、パッケージを意識するようになったんです!

今までは、なんとなく選んで、買って食べる。そして入れ物はゴミ箱へ。それが当たり前でしたが、講座を受けてから商品を選ぶ理由に「なんとなく」はないと学びました。

世の中の商品は、あらゆる「コピー」でラッピングされています。あらゆるパッケージには広告的な意図や工夫が込められていて、私はそれによって買うものと買わないものを無意識に取捨選択してい。そのことに気がついたのです。

つまりスーパーマーケットなんかはもう、コピー!コピー!コピー!の山!

コピーが棚に並んでいる。コピーがカゴに入っている。迫り来るコピー。当時、品出しバイトをしていた私は、毎日コピーを運び、コピーの賞味期限を確認していたようなものです。

もちろん、概要を少々かじっただけのその時点では、パッケージに込められた工夫が100個あったとしても、気がつけるのはせいぜい3個程度でしょう。しかし、今まではなかった「広告業界に携わる者としての視点」が自分の中に生まれているのを感じました。

 

講座を受けたからといって、明日からプロになれるわけではない。

後半になると、実際にコピーを書いて、提出して、講師に添削していただく機会が増えます。優秀なコピーを書いた生徒には「金の鉛筆」が贈られるのですが、もらえるのは毎回10人程度。みんな、金の鉛筆ゲットを目標に頑張るのです!

プロ目線での添削は良い悪いの理由もわかりやすく、自分のクセや、足らないところを知れるのでとてもタメになります。

しかし一方で、評価は先生によってかなり左右されました。A先生が「実際には使えなくても、今は練習だから視点が面白ければOK」と言っていたのでそのつもりで書くと、B先生には「視点は面白いけど実際に使えないからだめ」と講評される、なんてことはよくあります。

金の鉛筆をゲットできるかどうかは「その先生好みのコピーか」というのも大きく影響するため、もし取れなくても落ち込む必要はありません。

講座を受けたからといって、明日からプロになれるわけではないんですね。

講座は、あくまで見方や考え方を学ぶ場でした。

 

養成講座で養われるスキルは、制作会社向き。

広告系の会社は、大きく2つに分けることができます。

顧客の課題解決のために戦略・企画を考えて提案することが仕事の広告代理店と、その企画書を元に、実際にCMやコピーを作る広告制作会社です。

とりわけ制作会社は、代理店が企画を考えて、営業の人が仕事を取ってきて、コピーライターはコピーだけを書く……と担当区分が分かれている場合がほとんど。

そして養成講座の課題は、すでに商品も、ターゲットも、広告媒体も決まった上で提示されるもの。つまり、制作会社の仕事に近い状態で取り組むことになるのです。

言い換えると、養成講座では代理店のようなコピーライターとしての営業や企画、ブランディングについては学ぶことはできません。

ハッテンボールでは、全ての社員は営業から企画から制作といった代理店+制作会社のような業種に加えて、企業のコンサルタントや制作のディレクションのような、広告会社では普通やらない事も同時に請け負います。

そのため、就労3ヶ月目の今のところの仕事内容としては、実務では養成講座で受けた課題が役に立っている実感は薄いというのが正直なところ。しかしこれは方向性の違いによるものなので、制作会社を目指す人には、大きく役立つのではないでしょうか。

 

「ぜひ市村さんと働きたいです」←この会社には落ちました。

養成講座を受けながら就活をしていると、面接で「君も受けてるんだ。僕も卒業生だよ」と言われる機会は実際に多かったです。Tさんが言っていたのはこういうことかと思いました。

たとえ養成講座を知らない人であっても、「お金を払って勉強するなんてすごいですね。私としてはぜひ市村さんと一緒に働きたいです!」と好感を持たれることもありました。しかしその会社は一次面接通過後のwebテストで落ちたので、やはり就活は総合で判断されるものですね。

確かに話題にはなるし、宣伝会議を知らない人でも、講座を受けるほどの熱意をアピールするのはとても効果的です!しかし当然ながら、養成講座を受ければ入社できるわけではありません。アピールポイントの一つとしては有効だなと感じました。

 

結局、受けた方がいいの?

 

コピーライターとして就職するためには、養成講座は必ずしも受けなくても良いけれど、職業理解のための基礎知識は絶対に勉強しておいた方がいい!

これが私なりの結論です。

広告業界について何も知らない人であれば、就活前に広告業界やコピーライターに関する本を5冊くらい読んでから就活に臨むと良いのではないでしょうか。

その上で、コピーライター養成講座基礎コースは、広告業界、及びコピーライターという職業について全く知らず、どう勉強するべきかについても迷っている人にはとてもおすすめできると思います。とりわけ、制作会社に就職したい人には、課題も勉強の一環として役に立つでしょう。しかし当然ながら、実務経験とは言えません。

一方で、すでに本などで勉強し、前提知識は持っている人であれば無理に受けなくても良いと思います。

もしも、すでにコピーライティンング業務に携わっていて、さらなる技術向上が目的であれば、基礎コースよりも上級コースの方が向いていると思います。

私にとってコピーライター養成講座は、就職するまでのプロセスとして役に立ちました。たまにノートを見返すこともあります。

しかしながら実務で役に立っている実感がないのは、前述したように、ハッテンボールは、制作会社とは形態が違うからでしょう。

おまけ

これからコピーライター養成講座を受ける人、受けようと思っている人にはぜひ実践して欲しいことがあります。

それは、ノートは必ずPCで取ること!

なぜなら、コピーライター養成講座の講義の資料はPDFで配布されるためです。PC上で資料もノートも完結してしまえば、整理が非常に楽になります。

またコピーライターの仕事のほとんどはPC上で行いますが、PCファイルに保存をしておけば、いざ見返す際にパッと取り出すことができてとても便利ですよ。

「せっかくの受講したのに全然見返さないや……」なんてもったいないことにならないように、紙ではなくPCでノートを取ることを全力でお勧めします!

 

以上が、コピーライター養成講座の体験記となります。ありがとうございました。

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