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うわっすべりブランディングからの脱出。

ハッテンボールmixを開設した理由。その一つには、こんな動機もありました。

「うわっすべりブランディングを阻止しよう」です。

ビジネスは、商品サービスを売る行為です。売りまくりたい、と多くの経営者は思っています。

「商品サービスは、ある。あとは伝え方だ。」

「伝える対象をはっきりさせ、伝える頻度をあげれば、きっと売れる!「さあ、webマーケティングだ!webプロモーションだ!」そのように先走って、うわっすべっていくのでした。

「伝え方が大事」という考え方、流行っていますね。

でも私には違和感があります。「伝え方」なんてそもそも、「伝えたいこと」がなければ、考えようもないだろう。うわっつらでおわるだろう、と。

「けっこういい商品はある。伝え方をどうにかすれば売れる。」

そう思っている経営者の皆さん。それ、たぶんカン違いです。

どこがカン違いかというと、じつは商品はまだない、のです。まだできていないのです。

モノが溢れかえる世の中ですから、「商品の定義そのものが変わった」と捉えるべきです。食い物が溢れかえれば、食い物の定義がより厳しく変わりますよね。それと同じことだと思います。

つまり、飽商、飽ブツともいうべき現代にあっては。「伝えたいこと」がモノやサービスに内包されてようやく「商品ができた」なのだと。

商品の強みや特長という「伝えたいこと」を、ちゃんと口で優先順に話せる状態。言葉として明文化できる状態。経営者や社員がそんな状態になっていて、モノにそれらをくっつけて、たどたどしくてもきちんと説明できるならば。それは「商品」になっている。

もし、そんな状態になっていないなら、まだそれを「商品」とは決して呼べない。 まだ「商品もどき」に過ぎないのだと。

「伝えたいこと、あるよ。うまく言えないけど・・・」の、この、うまく言えない、がクセものなのです。

うまく言えないということは、曖昧にしかつかんでいない、定義していないということ。曖昧なものは定着しません。曖昧な考えは早晩、風化します。

つまり、「伝えたいこと」がまとまっていないということは、まだない、ということなのです。

伝えたいことを内包しない「商品もどき」、伝えたい価値がはっきりしない「商品もどき」です。「伝え方」をどれだけ工夫しても、「伝える頻度」を増やしても、それはおのずと”うわっつら”とならざるを得ません。

その宣伝はひたすら”うわっすべるばかり”ではないですか。

中小企業のブランドは、認知度もあり固定ファンの裾野も広い大手のブランドとはちがう。

「ブランディングなんかしなくても そこそこ宣伝投資すれば売れる」という、理想のブランドバリューはありません。

そうです。理想のつよいブランドとは、「伝えたいこと」どころか、そもそも「ブランドバリュー」を内包しているのです。極論すれば、ブランディングなんかしなくても売れる状態を作るのが、ブランディングなのです。

そこに辿り着くためのステップは、

① 「伝え方」を考える前に、「伝えたいこと」を開発する。明瞭にくっきりと言語化し、認識する。それがすでにあって埋もれている場合は、掘り起こす。ない場合は、一つ二つと新価値を付与する。

②「伝えたいこと」が明瞭なら、「伝えたい人」という対象、「伝えれば共感してくれる人」という潜在顧客が見えてくる。「買ってくれるまでのストーリー」が編み上がる。

③そこが見えてきたところではじめて、「伝え方」を考えることができる。①②をすっ飛ばして、うわっつらで伝え方を考えても、うわっすべるだけ。①②のプロセスを含めてこそ、商品開発。

④「伝えたいこと」「伝えれば共感してれる人」「買ってくれるストーリー」をきちんと作る。そのうえで「伝え方」を創意工夫し、最適な方法を考えて、伝えつづける。

⑤社員全員で、その流れに至る考え方をすべて共有する。そして、リアルでもwebでも、すべての顧客とのタッチポイントで。コミュニケーションシーンで。「伝えたいこと」を、「考案した伝え方」で、根気よく伝えつづける。

⑥そのような全社あげての継続的な組織運動だから、 [Brand]+[ing]で、[Branding]なのです。 それが、ハッテンボールのブランド観です。

⑦経営者も社員も自社ブランドを理解して、ぶれずに発信しつづける。そうすれば、いずれ商品自体がブランド価値を内包し始める。ローコストのブランド投資でも、商品が売れ始める。

ブランドパートナーを選ぶ際には、「伝え方」や「伝える手段や頻度」 をプランニングするだけの会社ではなく。「伝えたいこと」「伝えたい価値」からともに開発し、それを全社的な組織運動へと広げ展開できる会社。そんなコンサル機能をもつクリエイティブ会社を選んでください。

ハッテンボールのような。

さて、そのようなブランディングをお考えの中小企業へ。

ブランディングを展開する前に、お伝えしておきたいことが、もう一つあります。大手にはない、中小企業ならではのアドバンテージを、ぜひ自覚していただきたい、ということです。

中小企業や、中小の事業部の力とは、なんだ?

大きな組織より、優っているところは、どこだ?

硬直していないところ?柔らかいところ?自由なところ?

ちがう。

一等の強み。 それは、「人が少ないこと」だ。

人間の思いや考えには、カタチがない。見えない。さわれない。何万、何千、何百もの人間がいたら、見えない思いや考えは、千々に細切れてあてどなく漂う雲のように。まとまりがまったくなく さまよう想念になる。

あるいは、乱風に舞うあまたの木の葉のように、無秩序に四散していく。散り散りに。 バラバラに。

だから大きな組織は、たくさんの厳格な規則や約束事を作って、秩序と隊形を保つ。四方八方に散乱しそうになる想念や行動を、なんとか制御し、統率するためだ。

経営と現場、現場と現場の、意思疎通に苦心する。官僚化、形式化、セクショナリズム。組織不活性と沈滞ムードを逃れるための模索は、今日も明日もずっとつづく。

だが、10人、50人、100人の小規模ならどうだろう。

中小の組織なら、想念や考えを、通わせることができる。みんな顔見知り。家族構成や、好みの食べ物や趣味まで知っていたりする。

手がとどく近い関係とは、「考え」、すなわち「言葉」がとどく関係だ。

商品サービスにおいてお客さんに「伝えたい価値」。会社の考え方や風土や成り立ちにおける「伝えたい価値」。自社で働らくうえでの喜び、仕事における「伝えたい価値」。会社を理解し好きになるために、社員みんなで「伝えあいたい自社の物語の価値」

すべては言葉であり、少人数だからこそ、それらの言葉はとどくのだ。

人間は、「言葉」なくしては、何事も達成ができない。

言葉なくしては、脳みそも、想像力も、働かない。言葉で過去を捉え直す。学ぶ。現在に生かす。言葉で未来を描く。言葉がなければ、過去現在未来は姿を現さない。

言葉は、時間なのだ。歩みなのだ。企業活動という名の歩みは、言葉そのものなのである。

言葉を 近距離で通わせることができる少人数。言葉を、共に練り上げることができる仲間関係。組織にとって、これほど強力なアドバンテージはない。

中小の組織には、大手のように金はない。人もいない。だが、言葉がある。

中小だからこそ、豊かな言葉を、濃密に共有し得る。この中小ならではの特恵ともいうべき、屈強なアドバンテージを、粗末にしている会社のなんと多いことか。掛け値なしの「宝の持ち腐れ」、である。

厳しい市場競争に追われて、webマーケティングのトレンドに焦って飛びつく。仕掛け方、伝わり方、感じさせ方がぜんぶだ、とばかり、小手先のテクニックに走る。

それふうの広告コピーやごぎれいなデザインを「雰囲気コピペ」して、それっぽく仕上げてしまう。

採用ブランディングも、仕事人を集めることが本質なのに、あいかわらず「ジョブ型」での集客・選考はしない。

「メンバーシップ型」で、就職ではなく、あいまいな動機の就社を推進。 新人のプロ意識が足りない、と嘆いても、そもそもが就社なのだから、その小言はお門違い。

組織ブランディングにひもづく社員研修も、人事評価などの制度設計も、ひたすら一般論がベースのプログラム。

自社ならではの価値判断やストーリーが組み込まれていない。自社ならではのかけがえのない実態と未来展望を、なぜか没却、黙殺する。

うわっつらをなぞるように、「ブランディングやっている感」を醸し出し匂わせる。

ハッテンボールは、世の中で増えつつあるこれらの活動を総称して、「うわっすべりブランディング」と呼んでいる。

「うわっすべりブランディングからの脱出」を世に広く働きかけ、企業の生産性と自尊感情を高めたい、と考えている。

「会社と仕事は、楽しい。」働くことを斜めからではなくまっすぐ肯定して、力強く自分の足で歩む人を増やしたい、と願っている。

人の活路が会社の活力だ。成長と発展の活力だ。そして、人をして活路へと導くものは、活き活きとした 「言葉」なのだ。

重要なwebマーケティングや伝え方だからこそ、優先順位を誤ったり、偏重したりして、台無しにしてはならない。

台無しとは、土台が無いことであり、では、その土台に当たるものは何かと言えば、「言葉」なのである。

「言葉」の開発を土台にした「活路」の開通により、人の前進力を高めよう。良き未来という、この世のものではない実態ゼロを、この手にとりたい「花」に見せてしまう人間の力。

それが、「言葉の力」である。

「理念」という言葉を。過去現在未来というこれまでとこれからの厚みをもって、借り物ではなく、なりたい自分たち、を根拠に開発しよう。

「ブランドの特長」や「戦略」という言葉を。社会への貢献 ・ 共生という視座と、自分たちの豊かさという 正しいエゴとの調和をもって、独自化、濃密化しよう。

「精神風土」「行動原則」という言葉を。社歴という見えない資産と未来展望という希望をフラスコに入れ、丁寧に撹拌して、おしつけがましくなく抽出しよう。

中小の組織には、これまでの物語とこれからの物語を、みんなで共有する力。そこに人ぞれぞれが自分を乗っけながら、共感同感する力があるのだ。

さらには、次の物語を、みんなで共に編み上げる構築力もあるのだ。

人間は、言葉によって、駆動する。

御社は、言葉を共有した人間の活路によって、活力をもって駆け始めることができる。理念及び、ブランド・販売戦略体系という言葉が、主人。マーケティングは、その従者である。

優先順位を履き違え、服を着てから、パンツを履いてはならない。そのような会社や事業は、共感を呼ばない。

 

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