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社長。会社のバラバラ事件、迷宮入りですか?

上記は当社のキャッチフレーズです。

今回は、なぜこんなキャッチを掲げたのか、お話しさせてください。20代、30代は、求人広告をたくさん作りました。大学新卒の広告も作りましたが、転職者を募る中途採用の広告を何倍も作りました。かなりの本数を作ったと思います。大手より中堅・中小が多かったです。

そういうわけで、いろんな社長と対話する機会に恵まれました。商品じゃなく、人を採る広告なので話はどんどん広がります。

商品広告だったら、商品の特性・機能・優位点とか、開発上の力点や想定購入者像、競合状況とか。そのあたりに話はフォーカスするんですけど、なんせ人ですからね。

さまざまなテーマで聞き込みながら、質疑応答のキャッチボールを繰り返していくと、話題は会社の全体どころか、過去や未来をワープし、公私かまわずぐんぐんふくらんでいきます。

事業戦略は米国の成功企業群の集合知をヒントにしているについて。犬の散歩は18時に決めているんだについて。組織の問題点は結局経営者のオレの問題点なのかなあについて。

娘さんと大ゲンカして彼女の部屋をぶっ壊してしまって大後悔している件について。創業からの社歴を追うことでいくつかの曲がり角における会社の強みを洗い出せたことだしそこをもっと戦略に落とし込んで社員へと明快にメッセージしましょうよについて。

生い立ちや親子の軋轢を話すと涙があふれるけど不幸じゃないんだよについて。戦略実践をまかせ切れる若手が育たないのは読書不足や異性との関係性の希薄さが原因じゃないかについて。

レストランで話を聞くことになって出向くと社長がキャバ嬢連れでなぜか3人でサービスモデル開発を討議するハメになったり。

どう考えたってこの女性は愛人じゃないかというマダムと酒席を共にしながら理念づくりの相談を受け困ってしまってワンワンワワンッだったり。

夫婦経営者それぞれ別々で話を聞くと2人の間にピューピュー吹くすきま風の冷気に震え思わず襟を立ててしまったり。

とにかく、必要な情報も、まったく必要じゃない情報どころか、あまり聞きたくない情報まで、ドバ〜っと話してくれた社長のエピソードはまだまだたくさんあります。

加えて、人の採用なので、中間管理職や社員に話を聞くこともあるんです。

すると経営と現場、社是と実態、理念と企業戦略や事業方針と社員の意識やアクションの間の「ズレ」とか「乖離」とか「反発」とか「不協和」とか「不共有」とか「お題目化」とか「張りぼて化」に気づくんです。

人のことは言えないんですけど、社長の言っている内容に矛盾や分かりにくさや伝達不足や詭弁やらもあって、第三者としてそのあたりにも気づきやすいんです。

というわけで、そんな若い頃からの経験で「会社ってのはバラバラになるもんだ」が、僕の会社観になり、現在の当社のキャッチフレーズになっているわけです。キャッチに続くコピーはこんなです。

部門ごとのミッションやタスクが不明瞭。したがって、各部門はおのずとタコツボ的な既存業務の反復に終始することになる。

結果、会社全体の理念と戦略実現のための、部門間における有機的かつ創造的な連携連動が、ほとんど生み出されない。

部門間の噛み合わせが非常に悪く、部門はまるで利益相反し衝突しあう、「部族」のように孤立して、会社組織はまとまりがなくてんでバラバラ。

こういうのを、『ガバナンス(統治)の無秩序化』と呼びます。カオス的無茶苦茶化、でもいいんですけど。

このような会社の場合は、経営から社員への言語的メッセージや、説明を通じた理解促進においても、すべてのファクターがバラバラだったりします。

たとえば、企業理念と、事業戦略と、将来ビジョンと、成長計画と、ブランディング&マーケティング策と、PR表現と、社員のマネジメント方針と、行動指針と、育成や採用方法などにおいても、言っている内容に通底する共通の考え方も、整合性も連係性もなく、一つひとつがバラバラ。

こういうのを、『アイデンティティ(CI)の崩壊』と呼びます。

経営理念は、顧客不在で優位点も不明。戦略もわかりにくい。必然的に、部課長の理念と戦略理解も、モヤモヤとぼやけている。だから、部課長から部下のタスクへの落とし込みや浸透も、あいまい。社員のがんばりは場当たり的で、空回り。組織に統治感も、戦略性も、役割ごとの連動感もなく、バラバラ。

こういうのを、『社員の戦略連動の分断』と呼びます。

いろんな意識変革や共有、方針浸透に取り組んでいるが、いずれも経営テーマへのひもづきが弱い。しかも連続的なプランはなく、どれも一瞬の打ち上げ花火。すべての取り組みが点のように、バラバラ。

こういうのを、『変革創造の細切れ化』と呼びます。

ハッテンボールは、
すべてを一本の軸でつなぎ、
連動性の高いCI戦略を確立します。
ご相談ください。

はいそうです。宣伝でした!

PERSON

伊藤英紀

代表取締役 コピーライター歴30数年です。経営者で希に「コピーライターの仕事って、発想力とか感性が大事なんでしょ?」とおっしゃる方がいます。

「いえ、大事なのはむしろ、会社と社会と人と言葉、に関する知識ですかねえ」と面白くもなんともない答えを返します。確実にシラケます。

「まあ、着眼力と構想力も大事ですね」と補足したり、蛇足かなと思いつつ「言葉の技術と感覚、想像力や発見力も必要です」と追加したりしますが、盛り上がることはもちろんありません。

「コピーライターは発想力と感性だ」は、「料理人はセンスだ」とか「大工は1ミリへのこだわりが大事だ」といった一面的な類型化と似ていると感じられ、しっくり来ないのでつまらないだろうなと思いつつ、つまらない返答を繰り返してしまうのでした。

いい料理人はやはり調理法とか食材、料理の歴史文化の知識などもそれなりにあって、知識があるからちゃんとした技術が磨かれていくし、豊かな気持ちになれるお店づくりもできるんだと思うんですけどね。

その辺りはよくわかりません。が、はっきり言えるのは、受け答えがこのような行程を辿ると、ほとんどの経営者はコピーライターへの興味を失くす、ということです。